1. はじめに
ゆうな製菓のちんすこうには、ほとんどの商品に塩を配合しています。
糖類の量を減らしている珍しいちんすこうを作っているので、甘みを引き出すために塩を入れごまかしてます
日持ちさせる目的で塩を入れているわけではないので、その量はとても少なく1粒あたり約0.02g前後です。
今帰仁名物スイカに、塩をかけた食べると甘くなる。あの感覚ですね。
2. 塩は取りすぎでも不足でも注意が必要
人間の身体には「定住している地域の食べ物に合うよう、世代をまたいで対応する力があります」が、それでも食べる量が多すぎたり、少なすぎたりすると、身体に何らかの悪影響が出てきます。
塩だと、摂りすぎると高血圧になり長期的に続くと臓器障害などを起こします。
一方、不足するとわりと短期で 低ナトリウム血症 におちいり、膀胱が針に刺されているような痛みが続きます。
日本人は、1日7g〜8gの塩を摂取しているそうですが、世界基準では5g/日ぐらいだそうです。
この数値からもわかるように約0.02g/粒という塩分がいかに少ないかおわかりいただけるかと思います。
3. 肉球ちんすこうは浜比嘉島の塩工房の塩へ
ゆうな製菓では、あっちゃんの塩に始まり、屋我地マース、トップバリューの塩を経て、岩塩を使ってまいりましたが、次回製造分からは浜比嘉島の塩工房さんの塩を使うことにいたします。
今まで使ってきた沖縄の塩製造所では1タイプしか製造されていませんでしたが、浜比嘉島の塩工房さんの塩は、 浜比嘉島塩、大粒塩、にがり塩 の3タイプを製造していおられます。
大粒塩、にがり塩は浜比嘉島まで行かないと買えない上に、にがり塩にいたっては6ヶ月に1回程度しか製造できない希少品となっています。
〇〇に行かないと買えない、〇〇〜XXの時間しか買えないが大好物のゆうな製菓としては見逃せません。
しかも、浜比嘉島は、一度平安座島渡らないとたどり着けない島。浜比嘉島の塩工房は島の南端にあり、ダンジョン感がダンジョン感が楽しい楽しい。まさにお宝がある場所。
作り方は、1950年代に日本で生まれた自然流下式(流下式塩田)で、赤穂まで行ってその作り方を共有しているそうです。
実際に現地で製造工程を見せていただきましたが、沖縄の大気をうまく活用した製法と粘り強い結晶化は圧巻でした。
新型コロナがおさまったら是非 見学と塩づくり体験 へ行ってみてください。
4. 大粒の塩が好き
当工房は大粒の塩が大好きです。なぜか?
先にも書きましたが1粒に入っている塩の量は約0.02gと非常に少ないです。
その状態で細かい粒子の塩を生地に練り込むと分散しすぎて塩の味を殆ど感じません。
しかし、大粒の塩を使うことで分散が抑えられ大粒の塊のまま舌に触れると、その瞬間に塩の味をしっかり感じることができます。
SNSには、ちんすこうは混ぜて焼くだけでとても簡単という投稿が溢れていますが、それを琉球国王が食べて喜んだでしょうか?
当工房では、ひと工夫、ふた工夫しないと国王は喜ばないという思いが強く面倒な作り方にこだわり、面倒だからこそできるちんすこうを作っていきたいと日々研究を続けています。
そうすることで、ちんすこうを通して使っている素材の素晴らしさもお伝えできるのではないかと考えています。